第2節 現状と課題
第1 組合員等の人数、医療給付費等の状況
1 組合員数等(表1)
組合員数は、平成24年度は300,955人、平成28年度は300,155人と0.3%減少している。
被扶養者数は、平成24年度は342,658人、平成28年度は305,196人と10.9%減少している。
表1 組合員数等の推移(平成24年度~平成28年度)
平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | |
---|---|---|---|---|---|
組合員 |
300,955人 |
299,108人 |
298,803人 |
299,535人 |
300,955人 |
被扶養者 |
342,658人 |
333,158人 |
323,907人 |
314,879人 |
305,196人 |
合計 |
643,613人 |
632,266人 |
622,710人 |
614,414人 |
605,351人 |
2 組合員等に係る医療給付費の状況(図1)
組合員の医療給付費(医療費から自己負担額を除いたもの。)は、平成24年度は33,324百万円、平成28年度は34,652百万円と4.0%増加し、1人当たり医療給付費も100,727円から115,447円に増加している。
被扶養者の医療給付費は、平成24年度は41,356百万円、平成28年度は38,960百万円と5.8%減少している。
図1 組合員等に係る医療給付費の状況(平成24年度~平成28年度)
第2 疾病特性別の総医療費の状況(図2~図4)
レセプトデータを活用し、疾病特性別の総医療費の状況を分析したところ、平成28年度における組合員等に係る各疾病(健康課題)の疾患分類別の総医療費は、保健事業を講ずることができない先天性や外傷性等の「その他の疾病」以外では、生活習慣病が12,140.4百万円と最も多くなっており、特定健康診査及び特定保健指導が重要であることが確認できた。
図2 組合員及び被扶養者に係る疾病中分類別の総医療費及び有病者数(平成28年度)
名称 | 生活習慣病 | 悪性新生物 | 歯の疾病 | 精神の疾病 | 季節性の疾病 | その他の疾病 |
---|---|---|---|---|---|---|
総医療費 |
12,140.4百万円 |
4,662.0百万円 |
10,011.6百万円 |
2,488.1百万円 |
8,021.8百万円 |
58,188.1百万円 |
有病者数 |
93,658人 |
30,282人 |
306,793人 |
24,454人 |
283,320人 |
567,583人 |
図3 組合員に係る疾病中分類別の総医療費及び有病者数(平成28年度)
名称 | 生活習慣病 | 悪性新生物 | 歯の疾病 | 精神の疾病 | 季節性の疾病 | その他の疾病 |
---|---|---|---|---|---|---|
総医療費 |
8,458.4百万円 |
2,958.0百万円 |
5,322.2百万円 |
1,517.1百万円 |
2,836.0百万円 |
28,003.8百万円 |
有病者数 |
66,387人 |
20,713人 |
147,607人 |
15,050人 |
116,167人 |
269,072人 |
図4 被扶養者に係る疾病中分類別の総医療費及び有病者数(平成28年度)
名称 | 生活習慣病 | 悪性新生物 | 歯の疾病 | 精神の疾病 | 季節性の疾病 | その他の疾病 |
---|---|---|---|---|---|---|
総医療費 |
3,682.0百万円 |
1,704.0百万円 |
4,689.4百万円 |
971.1百万円 |
5,185.8百万円 |
30,184.3百万円 |
有病者数 |
27,271人 |
9,569人 |
159,186人 |
9,404人 |
167,153人 |
298,511人 |
第3 特定健康診査等の実施状況(平成25年度~平成29年度)
1 概要
当組合においては、平成20年度から特定健康診査等実施計画において目標値等を定め、特定健康診査の受診率及び特定保健指導の実施率の向上に努めるとともに、その結果を生活習慣病等の疾病予防に結び付けるよう取り組んできたところである。
2 特定健康診査の実施状況(図5)
平成29年度の実績値(決算見込)は83.8%となっており、平成25年度から平成29年度まで目標値を下回っている。
図5 特定健康診査の受診率の状況(平成25年度~平成29年度)
受診率 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
組合の目標値 |
82.0% |
84.0% |
86.0% |
88.0% |
90.0% |
|
支部計 |
81.0% |
81.8% |
82.6% |
83.8% |
83.8% |
|
|
組合員 |
94.4% |
94.6% |
95.3% |
95.9% |
96.0% |
被扶養者 |
47.0% |
48.2% |
48.9% |
50.0% |
51.7% |
対象者数 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
支部計 |
270,654人 |
268,326人 |
264,317人 |
259,155人 |
260,251人 |
|
|
組合員 |
194,376人 |
193,973人 |
192,427人 |
190,734人 |
188,645人 |
被扶養者 |
76,278人 |
74,353人 |
71,890人 |
68,421人 |
71,606人 |
受診者数 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
支部計 |
219,295人 |
219,402人 |
218,448人 |
217,079人 |
218,103人 |
|
|
組合員 |
183,454人 |
183,583人 |
183,316人 |
182,901人 |
181,060人 |
被扶養者 |
35,841人 |
35,819人 |
35,129人 |
34,178人 |
37,043人 |
※平成29年度の実績値は決算見込の値であり、実績が確定するのは平成30年10月末である。
3 特定保健指導(図6)
平成25年度から平成29年度までの特定保健指導の実施率は、次の図のとおりである。
平成29年度の実績値(決算見込)は33.4%となっており、平成25年度から平成29年度まで目標値を下回っている。
図6 特定保健指導の実施率の状況(平成25年度~平成29年度)
実施率 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
組合の目標値 |
24.0% |
28.0% |
32.0% |
36.0% |
40.0% |
|
支部計 |
25.9% |
24.4% |
26.5% |
26.0% |
33.4% |
|
|
組合員 |
27.1% |
25.6% |
27.9% |
27.3% |
35.0% |
被扶養者 |
9.2% |
9.0% |
8.2% |
8.7% |
15.8% |
対象者数 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
組合全体 |
36,765人 |
36,363人 |
35,797人 |
35,609人 |
36,771人 |
|
|
組合員 |
34,251人 |
33,820人 |
33,214人 |
33,069人 |
33,783人 |
被扶養者 |
2,514人 |
2,543人 |
2,583人 |
2,540人 |
2,988人 |
実施者数 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
組合全体 |
9,517人 |
8,888人 |
9,476人 |
9,251人 |
12,288人 |
|
|
組合員 |
9,286人 |
8,659人 |
9,263人 |
9,030人 |
11,816人 |
被扶養者 |
231人 |
229人 |
213人 |
221人 |
472人 |
※平成29年度の実績値は決算見込の値であり、実績が確定するのは平成30年10月末である。
4 特定健康診査の結果による健康状況分析
(1)組合員に係る健康状況分析(平成28年度)(表2)
組合員に係る平成28年度の健康状況分析結果では、8区分のうち、割合が多い順に「1 健康(リスク無)・A非肥満」が26.7%、「2 指導リスク有・A非肥満」が21.7%、「4 服薬(治療中)・B肥満」が12.7%となっている。
表2 組合員に係る健康状況分析(平成28年度)
合計 | 健康リスク保有者 (2〜4小計) |
1 健康 (リスク無) |
|||
---|---|---|---|---|---|
合計 |
該当者数 | 183,013人 |
124,158人 |
58,855人 |
|
割合 | 100.0% |
67.8% |
32.2% |
||
A |
非肥満 | 該当者数 | 113,374人 |
64,594人 |
48,780人 |
割合 | 62.0% |
35.3% |
26.7% |
||
B |
肥満 | 該当者数 | 69,639人 |
59,564人 |
10,075人 |
割合 | 38.1% |
32.5% |
5.5% |
||
2 保健指導リスク有 | 3 受診勧奨リスク有 | 4 服薬(治療中) | |||
合計 |
該当者数 |
62,259人 |
25,056人 |
36,843人 |
|
割合 | 34.0% |
13.7% |
20.1% |
||
A |
非肥満 | 該当者数 | 39,639人 |
11,314人 |
13,641人 |
割合 | 21.7% |
6.2% |
7.5% |
||
B |
肥満 | 該当者数 | 22,620人 |
13,742人 |
23,202人 |
割合 | 12.4% |
7.5% |
12.7% |
(2)被扶養者に係る健康状況分析(平成28年度)(表3)
被扶養者に係る平成28年度の健康状況分析結果では、8区分のうち、割合が多い順に、「1 健康(リスク無)・A非肥満」が40.4%、「2 指導リスク有・A非肥満」が25.2%、「4 服薬(治療中)・A非肥満」が10.1%となっている。
表3 被扶養者に係る健康状況分析(平成28年度)
合計 | 健康リスク保有者 (2〜4小計) |
1 健康 (リスク無) |
|||
---|---|---|---|---|---|
合計 |
該当者数 | 34,171人 |
19,163人 |
15,008人 |
|
割合 | 100.0% |
56.1% |
43.9% |
||
A |
非肥満 | 該当者数 | 27,962人 |
14,143人 |
13,819人 |
割合 | 81.8% |
41.4% |
40.4% |
||
B |
肥満 | 該当者数 |
6,209人 |
5,020人 |
1,189人 |
割合 | 18.2% |
14.7% |
3.5% |
||
2 保健指導リスク有 | 3 受診勧奨リスク有 | 4 服薬(治療中) | |||
合計 |
該当者数 |
10,493人 |
3,148人 |
5,522人 |
|
割合 | 30.7% |
9.2% |
16.2% |
||
A |
非肥満 | 該当者数 |
8,609人 |
2,089人 |
3,445人 |
割合 | 25.2% |
6.1% |
10.1% |
||
B |
肥満 | 該当者数 |
1,884人 |
1,059人 |
2,077人 |
割合 | 5.5% |
3.1% |
6.1% |
<用語の定義等>
1 生活習慣病リスクの保有状況
「服薬」から「リスク無」までの4段階の分類の定義は次のとおりである。
服薬 | 特定健康診査の問診において「血圧を下げる薬」、「インスリン注射又は血糖を下げる薬」又は「コレステロールを下げる薬」の使用の有無について、「はい」と回答した者 |
---|---|
受診勧奨リスク | 「服薬」でない者のうち、特定保健指導の階層化に用いられる検査項目(次の2の血糖、脂質又は血圧の項目の基準値)について、受診勧奨値以上の項目を1つ以上保有している者 |
保健指導リスク | 「服薬」・「受診勧奨リスク」ではない者のうち、特定保健指導の階層化に用いられる検査項目(次の2の血糖、脂質又は血圧の項目の基準値)について、保健指導値以上の項目を1つ以上保有している者 |
リスク無 | 上記の「服薬」、「受診勧奨リスク」及び「保健指導リスク」の区分以外の者 |
2 特定保健指導の階層化に使用する項目と基準値
「受診勧奨リスク」及び「保健指導リスク」に該当する基準値については次のとおりである。
特定保健指導の階層化に使用する項目 | 受診勧奨基準値 | 保健指導基準値 | |
---|---|---|---|
血糖 | 空腹時血糖(mg/dl) | 126以上 | 100以上 |
HbA1c(%) | 6.5以上 | 5.6以上 | |
脂質 | 中性脂肪(mg/dl) | 300以上 | 150以上 |
HDLコレステロール(mg/dl) | 34以下 | 39以下 | |
血圧 | 収縮期血圧(mmHg) | 140以上 | 130以上 |
拡張期血圧(mmHg) | 90以上 | 85以上 |
3 肥満の定義
「肥満」及び「非肥満」の2段階の分類の定義は次のとおりである。
肥満 | 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上、もしくはBMIが25以上の者 |
---|---|
非肥満 | 肥満に該当しない者 |
※BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略で、体格指数とも呼ばれ、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算する。